翌日。
交際相手であったAに会い、子宮頸がんの再手術をすることになったと伝えました。
子宮を温存する手術をする予定であるが、今後の検査の結果によっては手術できない可能性。
できても、手術中の検査の結果によっては子宮を失う可能性も伝えました。
私はその日、Aに会った時点では「別れよう」というべきではないか?と思っていました。
というのも、再手術のことや自分のがんのことを言ったら言ったでAは受け入れようとすると思ったからです。
それが逆に辛い。
まだ結婚してもいないのに、Aの人生を縛ってしまう、と思いました。
でも「別れ」を提案できないまま「再手術」を伝えてしまいました。
Aは驚いていましたが「一緒に頑張ろう」と言ってくれました。
Aはそういう男なのです。
私が最初に「子宮頸がんの手術をすることになった」と伝えた時。
Aは次に会うときには、自分なりに子宮頸がんのことを全部調べて基礎知識を携えた状態で現れたのでした。
子宮頸がんの原因という、恋人に言いにくいところも正しく理解していた。
それに私がどれだけ救われたことか。
Aはとっくに、覚悟を決めていたのだ。
なのに私はビビってしまった。
病気が原因で振られるくらいなら、潔く身を引きたいと思った。
結局向き合えていなかったのは私の方だったのだ。
私
子宮を残せるかは分からないけど、可能性を信じて手術に向けて頑張ろうと思う
私の子宮頸がんに対する怯え。
それは子宮を失うこと。
そしてそのせいでAを失うことだった。
がんそのものよりも私にとっては怖かったのだ。
だけど大丈夫だ。
後は手術をして、健康を取り戻す。
怖いものはなくなった。

⑦手術の前の様々な検診と手術前にしたこと子宮頸がんの治療のため広汎子宮頸部摘出術(トラケレクトミー)をすることになった。手術に向けてペット検査などの各種術前検診を行い手術に備えた。会社に報告し手術に備えた。久山輝見子の子宮頸がんの闘病記第7話。...