ここまでの術前検診は全てクリア。
『広汎子宮頸部摘出術(トラケレクトミー)』の手術前にやるべき、最後の検査。
それは……センチネルリンパ節生検です。
センチネルリンパ節生検とは?
センチネルリンパ節郭清術について説明します。
センチネルリンパ節郭清術では、センチネルリンパ節を特定し(マッピングと呼ばれる)、切除し、検査してがん細胞が存在するかどうか判定します。
センチネルリンパ節を特定するには、青もしくは緑の色素または放射性物質を子宮頸部の腫瘍に近い位置に注入します。これらの物質が通過する経路により、子宮頸部から最初にたどり着く骨盤部のリンパ節(複数の場合もあります)を特定できます。そして手術中に、青または緑色をしているか放射線(手持ち式の装置で検出)を発しているリンパ節がないか調べます。医師はこれらのリンパ節を切除し、検査室に送ってがんがないかを調べます。センチネルリンパ節にがん細胞が検出されなかった場合は、それ以上リンパ節を切除することはありません(異常にみえるものがある場合を除く)。
つまりセンチネルリンパ節を調べて、そこのがん細胞なければ、転移していないとみなして、余計なリンパを取らないということ。
リンパ節の切除をすると、むくみ(リンパ浮腫)を起こしやすくなったり、神経の損傷などが起こりやすくなってしまいます。
患者のQOLを考えても、リンパの切除を最小限にしたほうがいい。
そういったことから、センチネルリンパ節郭清術はおこなわれているのです。
乳がんの手術では以前から行われていた手法。
それを子宮頸がんに応用したのが、このセンチネルリンパ節郭清術なのです。
センチネルリンパ節郭清術の手順とは?どんな方法でやるの?
センチネルリンパ節郭清術はこのような手順で行います。
①手術前日、リンパの位置を特定する
センチネルリンパ節生検は『腫瘍付近に検査薬を注入』したうえでIR(CTみたいな機械)で撮影する。
するとリンパの位置が特定できる。
②手術中、特定したリンパを実際に取って病理検査をする
特定したリンパにがんの転移がないことを確認する。
リンパの転移がなければ、ほかのリンパはとらない。
センチネルリンパ節郭清術は『やっている病院』と『やっていない病院』があります。
同じく広汎子宮頸部摘出術(トラケレクトミー)も『やっている病院』と『やっていない病院』があります。
そういった方はネットで「広汎子宮頸部摘出術(術式) 大阪(地名)」などで検索すると、病院が出てきます。
もしくは、今かかっている病院に「広汎子宮頸部摘出術(センチネルリンパ節郭清術)対象の病院はあるか」聞いてもいいと思います。
ただしこれらの手術を実施している病院であったも、患者の病状によってはの希望の手術を受けられないこともあります。
実際にセンチネルリンパ節郭清術の体験記を書きましたので、詳細は次のページをご覧ください。