退院日前日!
まだ病理検査の結果が分からない!
心配だけど……その後一体どうなった?
私の催促が功を奏したのか、月曜日の朝、乳腺外科のS先生が、アサイチで来てくれた。
なんでも、手術前に来てくれたそうで……。申し訳ない。
のるか、そるか。
【注目】乳がんの病理検査の結果……【こちら!】
幸いがんは乳首・乳輪にとどまっており、非浸潤がんであった
パジェット病と診断確定!
ややや!やった~!!
とりあえず一安心?
ということは、つまり……
よって、化学療法は不要。以降は経過観察でOK
おもわず再建された胸をなでおろした。
ひとまず、良かった。
だが、悪いニュースが1つ。
乳房の全く別のところにがんになる前の状態の細胞を発見(摘出済)
これに関しては、取れたので治療は不要。
乳房・乳頭だけではなかったのだ。
まだ完全にがん化していないヤツがいたのだ。
一体どんだけいるんだ……としばし茫然。
今回の手術で取ってもらえたので、良しとするけど……。
パジェット病だけではなく別の乳がんもあったというのは正直怖いなと思いました。
そうなのだ。
乳がんの10%は遺伝性といわれている。
乳がんや卵巣がんの患者さんが複数見られる家系を調べた研究によって、乳がんや卵巣がんの発症と関連している2種類の遺伝子が同定され、BRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子と名付けられました。この2種類の遺伝子は男女関係なく誰でももっている遺伝子ですが、生まれつきこの遺伝子のどちらかに乳がんや卵巣がんの発症に関与する変化(病的変異)があると、乳がんや卵巣がんなどになりやすいことが分かっています。
引用元:株式会社ファルコバイオシステムズ
実は私の母の従妹に若くして、乳がんになった女性がいるのだ。
逆に言えば、親戚で確認できた乳がんの罹患者はこの女性だけ。
(他のがんはいっぱいいるので、がん家系はがん家系だと思う)
近親者というには少々遠い。
先生もそうおっしゃっていた。
若年でパジェット病は珍しい。
病理の先生も、大学病院にいたころからものすごい数の症例を見ているけど、若年でパジェット病になった例は私で3例目とのこと。
パジェット病自体、乳がんの0.5%。
かつ通常は高齢者の罹患者がほとんどなのだ。
そんななか、乳がんになって36歳で手術した。
だが近親者には乳がんのものは今のところいない。
もちろん今後発覚するケースもあるので、なんともいえない。
遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)だった場合
HBOCの女性では、乳がんや卵巣がんになりやすいだけではなく、「若くして乳がんになる」、「乳がんを多発する(対側乳がん・同側乳がん)」などが見られることがあります。HBOCの男性では、一般の男性よりも乳がんや前立腺がんになりやすいことが知られています。そのため、HBOCでは一般的ながんとは異なる医学的管理が推奨されています。
HBOCと診断された方にはHBOCに合った手段や間隔で継続的な検診が推奨されます。また、乳房温存療法が可能であってもあえて乳房切除が選択肢として提示される場合があります。さまざまな状況に配慮した上でリスク低減のための卵巣・卵管切除を選択肢として検討することもあります。
つまり、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)だった場合「がんになる前に予防的に切除する」という選択肢が生まれてくる。
もちろん、遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)であっても、発病しない人もいる。
予防的に切除だって必須ではない。
私としては「リスクを知っておく」という点では大いにアリだと思った。
もし遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)であった場合は、それを見据えて事前に対策を打つことができる。
それを踏まえて生きることができる。
ただ、知ってしまうと知らなかったときには戻れない。
これは実に悩ましいところ。
ひとまず、病理検査の結果が分かっただけでも収穫である。
遺伝子検査を受けるかは悩ましい…。ですがひとまず追加治療なしで済んだことを喜びたいと思いました!
【ついに】最後のドレーン抜去!
ついにこの日がやってきました。
最後の『背中』のドレーンの抜去です。
この日までに、『背中』のドレーンの浸出液の量は1日30mlまで減っていました。
3回目となれば、慣れたモノ!
……といいたいところですが『背中』のドレーンは、右胸の下から背中に伸びており……。
早い話が長い。
引き抜くとき、やっぱり声が出てしまった…。
痛いわけじゃないんですけどね……。
最後のドレーンも抜去され、15日ぶりに『なにも体に付けていない解放感』を味わう。
ドレーンが抜けて、一番にやりたいこと!
それは……シャワーだ!!
というわけで、ドレーンが抜け次第すぐにシャワールームへGO!!
【入院後】もしかしたら、一番下かったことかも:それはシャワーです!!
15日ぶりのシャワーです。
手術後は1日置きに看護師さんに洗髪してもらったり、お湯で濡らしたタオルで身体を拭いたりはしていました。
気になる時はさらさらパウダーシートで拭いたりしていました。
特に気持ち悪かったのが、股間。笑
医療用の使い捨てのおしぼりをもらって拭いたりしていましたが、なんか気持ち悪かったです。
私の場合、手術後と生理がかぶったのでオリモノが通常より多かったのもあるかも。
自分でシャワーを浴びれる喜びをかみしめました!
【乳がんの手術】入中の最後の夜思ったこと……
ドレーンも全部抜け、何も拘束具(?)がない状態での入院最後の夜です。
人生3度目の入院ですが、どの入院の時も最後の夜はちょっとセンチメンタルになります。
退院できる喜びと、退院後の生活の不安。
また浸出液は出ているし、身体も正直『元通り』ではない状況。
あんな長時間にわたる手術をして、胸まで再建できたのは病院の皆さんのおかげ。
患者に可能な限り医療を提供できていることが本当にすごいと思います。
医師の皆さんは、外来の対応もやりながら、手術をしたり入院患者の回診をしたり。
その合間にカンファレンス(会議)をして治療方針を決めたり、学会の発表に準備をしたり。
消灯前(夜21時頃)に様子を見に来てくれたこともありました。
土日も交代で、回診に来られているようでした。
一体いつ休んでいるのだろう。
すごいといえば、看護師さんもすごいと思います。
私は手術後1週間は、移植した皮膚が定着するか4時間ごとに確認をしてもらっていた。
手術した日の夜に至っては、1時間ごとに見に来てくれていたと思う。
(麻酔がぬけてなくて、記憶があいまいですが、たぶんそう)
私が寝ている時間も来てくれた。
自力で身体や髪を洗えないときは、代わりに洗ってくれた。
背中に発生したじんましんに塗ってくれた。
こんなふうに、医療の現場の皆さんのおかげで無事退院することができた。
がんは摘出され、新しい胸が再建された。
私がその間にしたことといえば、医療スタッフに言われたとおりに手術や治療を受け、食べたり寝たりしていただけ。
本当に私が頑張らなければいけないのはここからなのだ。
- 退院してから普通の生活に戻れるように体力を付けること
- ストレッチなどをして、身体を動かせるようにすること
- またがんにならないような生活を習慣化すること
入院生活は人生リセットプログラムなのだ。
この体験を1つのきっかけとしたい。
入院最後の夜、そんなことを考えました。