退院後3日後、初の健診です。
乳腺外科のS先生から「病理検査の結果をご家族にも報告するから、一緒に来て」といわれていました。
てなわけで、夫に通院に付き添ってもらいました。
夫は夜勤明けでしたが、嫌な顔一つせず、付き合ってくれました。
まず形成外科のY先生に経過を見てもらいます。
背中を触診するY先生。
浸出液は、背中にたまっているとのことです。
まず痛み止めの注射をしてから太い注射で体内にたまった浸出液を抜きます。
痛み止めの注射のおかげで痛くありません。
浸出液30mlでした。
ドレーンを抜去してから4日で30mlなので、だんだん減ってきているのがわかります。
浸出液ですが
- 体の動きによって多少移動する
- ある程度は身体に再吸収される
とのこと。
傷も見てもらいましたが順調でした。
病理検査の結果と遺伝子検査
続いて乳腺外科のS先生のもとへ。
S先生は私と夫に改めて病理検査の結果を説明してくれました。
私の摘出した乳房(乳首・乳輪と乳腺)をスライスした写真を見せてくれました。
顕微鏡写真を拡大し、非浸潤がんであることや乳房に発見されたがんになる前の細胞についても説明してくれました。
そして、S先生は例の遺伝子検査について説明してくれた。
この遺伝子検査について、私からも夫に伝えていた。
私自身は「遺伝子検査をする」の一択だと思い込んでいた。
が……。
説明を受ける夫の顔色がさえない。
明らかに戸惑いの表情が浮かんでいた。
その様子をS先生は素早く察知した。
乳腺外科の検診が終わったあとも、明らかに夫の元気がなくなった。
せっかく大阪に来たので……ということで、夫と行きつけの磯丸水産へ。
カニみそ甲羅焼きとビールを飲みながら、改めて夫と話し合いました。
夫としては、遺伝子検査を『今』することに躊躇があるようだった。
検査をして、もし該当する遺伝子があった場合。
ショックが大きい。
子供に遺伝する可能性もある。
知ってしまえば、知らなかったころには戻れない。
対する私は、白黒つけたいタイプだ。
遺伝子があるならあるで、それを見越して今後の人生を設計するまでだ。
例えば、早めに出産して、出産後は予防的に手術をすることも選択できる。
あるならあるで対策は打てる。
こちらから迎え撃つ方法はゼロではない。
だけどそんなふうに思える者ばかりでもない。
夫婦生活はチーム戦なのだ。
仮に私がその遺伝子を持っていて、子供に遺伝する可能性があったとしても、その子が絶対にがんになるとは限らない。
遺伝するかどうかもわからない。
遺伝する可能性があるとわかっていてこどもを作るのはいいのか。
……この辺りは正直非常にデリケートな話である。
なぜなら自分一人の問題ではないからである。
私たち夫婦が話し合いを行ってある結論にたどり着いた。
遺伝子検査を今したのかどうかについては、今回は伏せる。
いずれ公表していいと判断できればするかもしれない。
この件について話し合って私が考えたのは「理屈じゃねぇ」ということだ。
自分一人で生きているわけでもない、ということだ。