手術は10時間ほどに及んだ。
- 乳腺外科による乳房の摘出:2時間
- 形成外科による再建手術:8時間弱
私の覚醒が確認されてから、呼吸器が外される。
形成外科のM先生が声を掛けてくれた。
ガラガラ声。
声がかすれているのは、手術中は麻酔の管がのどの中に挿入されていたから。
手術前の検診で、麻酔医から聞いた話を思い出す。
そういえば、乳がんの摘出手術+再建手術をしていたのだ。
当然です。
再建手術で背中を大きく切っています。
ふと手術着の右胸に膨らみがあることに気が付きました。
広背筋を使った再建術のため、そう大きくは出来ないと聞いていました……が!
だがふくらみは左胸に匹敵するぐらいあった。
もちろん術後で腫れているはず。
ここから移植した筋肉が痩せて小さくなると思います。
ですがたとえ小さくなるにしても、膨らみがあることに安心しました。
【乳がん手術後】看護師さんに手伝ってもらいやすくする方法とは……?
そのまま医療用のベッドで、新しく入る形成外科の病棟の個室に運ばれました。
看護師さんがてきぱきと、受け入れをしてくれます。
手術前にまとめておいた私の荷物を持ってきてくれていました。
通常は手術に立ち会ってくれている家族と対面……ですが、今はコロナ禍のため立ち合いはありません。
手術の完了連絡や説明は、先生から家族の代表者(夫)へ電話で行われます。
親族の付き添いがなく、最初は心細かったが全く問題なく手術は終了しました。
私の場合は付き添いがいなくても、意外となんとかなると感じました。
手術前に手術後いりそうなものをまとめておくとGOOD!
看護師さんにお願いして、私のスマホを出してもらいます。
貴重品入れで保管してもらっていたんですす。
手術直後は動けません。
、術後に使う荷物をリュックにまとめておきました!
そこで!過去の手術経験から分かっていた私は看護師さんにスーツケースを開けて荷物を探してもらうのは大変。
このように事前に荷物をまとめておくとお願いしやすくて便利です。
リュックにまとめたもの
- 携帯の充電器+延長ケーブル
- タオル類
- 歯ブラシセット
- 充電ケーブル、電源タップ
- お箸、スプーン
- コップ
- 未開封のペットボトルの水
- ペットボトルにつけるストロー
- 下着(+生理が近いので生理用品)
リュックのポケットのところに入っています。
どこに何が入っているか分かっていれば、看護師さんにもお願いしやすいので、おすすめです!
手術後、のどが渇いた!!……そんな時は
手術後3時間はベッドで絶対安静。
まだ麻酔が切れて間がないため、意識があるようなないような状態でぼーっとしていました。
この時間帯の記憶はあまりありません。
喉が乾いたので、まだ水は飲めないんですが、うがいだけさせてください。
お水を持ってきますね。
手術後3時間は、給水はできません。
だけど手術中呼吸器を喉に入れて口を開けていたので、口が乾きます。
術後は数時間は給水できないです。
喉が渇いて仕方ない場合は、相談してみましょう!
軽く口を湿らせるだけでも、大分違います。
体は起こせないので吸い飲みで口に水を含んで、小さな桶に吐き出すかんじになるとおもいますが、かなりすっきりします。
喉が乾いて辛い時はお願いしましょう!
【手術後、飲水許可】用意しておくと便利な「あるモノ」とは?
手術後3時間経過。
看護師さんに聴診器でお腹の音を確認してもらい、動いているようなら給水が許されます。
過去2回の手術でも思ったが、手術後に飲めるお水がむちゃくちゃ美味しいです。
看護師さんに手伝ってもらいながらお水を飲みます。
ここで活躍したのが、事前に買っておいたペットボトルのお水と100円均一で買ったペットボトルにつけるストロー。
自分でも好きな時に水が飲めるのでとっても便利。
蓋がしっかりできるので、こかしてもこぼれにくいところがいいです。
ない場合もおそらく病院から吸い飲みが貸し出されると思います。
もちろんそれでも問題ありません。
【手術後】ついに再建されたバストと対面する
個室でウトウト寝ていると、4時間ごとに看護師さんが再建手術で移植した皮膚の色が正常かどうかをチェックしに来てくれます。
4時間ごと。
そうです。
真夜中でもやってきます。
仮に患者が寝たままでも、看護師さんが良きに計らってくれるので大丈夫。
まぁ絶対起きますけどね!笑
この時、初めて NEW おっぱいとのナマご対面。
もちろん、乳首・乳輪の部分はありません。
そこは丸く切り取られて背中から持ってきた皮膚がパッチワークのように縫い付けてありました。
手術をしていない左胸よりも、かなりバストに『高さ』がありました。
36歳の私は年相応に胸が垂れているのですが、再建した右胸は大きさこそ左寄り小ぶりなくせに20代のような位置に!!
回診にきてくれた 形成のY先生いわく
とのこと。
再建した右胸は、医師から説明を受けていますが、回復に伴いサイズはしぼみ、垂れてきます。
対する手術していない左胸は経年でしぼむ+垂れます。
首尾よく赤ちゃんができた場合は左からのみ授乳するため、さらにしぼむ+垂れるが加速する。
この経年を手術をしていない左胸と再建した右胸の『帳尻が合う』予定で作ってもらっている。
そう、あくまで予定。
胸の経年による垂れなんて、さすがの医師でも完全に予測は無理である。
患者の生活習慣とかもあると思いますし……。
私はあまり細かいタイプじゃないので「左右差あっても膨らみがあればいいです」と許容している。
この辺りに関しては、どのくらいの美しさを再建したバストに求めるかによる。
NEW 生おっぱいとの対面の感想は
であった。
なんと!
こちらがお願いしていないことまで、気を配っていただいた。
サービス満点である。
まだ具体的に考えていないが、乳輪を再建する時に おそらくこの部分が乳輪になる。
その後を配慮した手術をしていただき、感動を禁じ得ない。
もちろん胸を再建するために、背中に大きな傷を作っている。
今背中の感覚がない。
今後のケアや継続した治療も必要である。
胸の膨らみを手にするために、背中に大きな代償を払った。
今後胸だけでなく背中の傷も治療していかなければならない。
だが自分の中では手術後胸の膨らみがあったことで、ショックはだいぶ薄らいだように思う。
私の中では、これは大きな発見であった。
犠牲にしたものは大きかった。
だけど全てを奪われたわけじゃない。
そう思えたことが自分の中で一番大きかったと感じています。