乳がんの全摘手術+再建手術のために入院しました。
そしてついに手術の朝を迎えました。
手術日当日は、起床時間より早く目が覚めた。
ベッドを抜け出し、ラウンジでしばしたそがれる。
手術は9時から。
7時以降は水も飲んではいけないので、今のうちに給水。
0時から絶食なので、当然朝食はありません。
手術の時間の前に、手術着を着て着圧ソックスを装着する。
手術着は旅館の浴衣のような心もとないもの。
もちろんブラジャーなどの下着はつけない。
下半身は普通にパンツと、パジャマのズボンを履いていいと言われました。
(手術中はパジャマのズボンは脱がすらしいですが、後で返してくれるそうです)
続いて看護師さんに点滴の留置針を付けてもらう。
点滴のたびに針を刺すと血管が大変なので、点滴を繋げる器具を血管にさしっぱなしにしておくんです。
最初の看護師さんが新人さんだったらしく、失敗。
※というか、私が痛がったため中断。笑
ベテランの看護師さんにやってもらった。
留置針は、一回設置したら、長い付き合いになるのでポジション取りがメチャ大事。
妥協はできない。
流石ベテラン看護師さん。
1発でキメてくれた。
8時45分ごろ、本日の担当医、乳腺外科のS先生が病室にきてくれました。
こんな感じで少しだけお話して、先生は先に手術室へ。
夫・私の父母にLINEでそろそろ手術であることを報告していると、ついに看護師さんが迎えにやってきた。
看護師さんに導かれて、手術室のフロアへ専用エレベーターで移動する。
手術前の患者さんに掛ける言葉ナンバーワンだと思う。笑。
手術室の待合室では、私と同時刻に手術をされる別の患者さんが看護師さんに付き添われて受付をしていた。
受付をして、髪の毛をネットで覆う。
同じような病衣に、髪の毛はネット。
加えてコロナでマスク。
患者の顔が分かりづらい。
受付の看護師さんたちも慎重に対応しているのが分かった。
無事受付は終了し、手術室へGO。
【乳がんの手術】ついに手術室到着!!
手術室は「医療系ドラマでよく見る」あの感じ。
手術室の看護師さんの指示に従い、自力で手術台によじ登る。
手術台は床ずれ防止のためかエアーマットが敷かれている。
その下には電気毛布のようなものがあるのか、暖かかった。
看護師さんや麻酔医がてきぱきと準備を進めてくれる。
人工呼吸器のマスクが付けられる。
恐るべしプラシーボ。
手術室の雰囲気だけで、すでに麻酔を仕込まれているかのような錯覚に襲われる。
ここで、手術着をまとった乳腺外科のS先生が登場。
やさしく、S先生は手を握ってくれた。
看護師さんたちもも反対の手を握ってくれる。
私をリラックスさせようと、接してくれているのが伝わってくる。
手術中に、私にできる事はない。
医師・看護師の皆さんにお任せするだけだ。
寝っ転がったまま、私は今日手術をしてくださる皆さんに元気よく挨拶をする。
『起きたら胸が無くなっている。今までの自分と変わる』
ショックな出来事や悲しい出来事は、気の持ちようでいくらでも悲しくなれる。
辛かった出来事は飴を舐めるように、何度も味わうこともできる。
私はそんなことに時間を割いていたくない。
この後やりたいことは、山ほどあるのだ。
胸を失うことで、その先に進めるならかまわない。
たとえ肉体が今と変わってしまったとしても。
傷を治せば、また笑える日は普通に来る。
私はそれを知っている。
ふわっと、暖かい感じがして天井の線がゆがむ。
泥酔した時のような、ふわりとした感じがした。
そんな会話を交わしながら、私はあっけなく眠りに落ちた。
